おいしい高知の、
おいしいビール。
一年中あたたかく、太陽がふりそそいでいる。
日本一の森が育む水と土がある。潮風をはこぶ太平洋がある。
素材に情熱をかける生産者がいる。
だから、高知はおいしい。
高知カンパーニュブルワリーは、まだ知られていない、高知にしかない素材を生かしたビールづくりをしています。
めざすは、だれもが笑顔で楽しめる、高知の風土のような自由でおおらかなビール。
わたしたちの社名にある「カンパーニュ」という言葉、その語源である「カンパニオ」には、「パンを分け合う人々」という意味があるそうです。
それは、「家族や仲間」という意味にもつながってきます。
家族や仲間と一緒に乾杯できるビールをつくり、いつもの食卓に、たくさんの幸せを届けたい。
家族や仲間が一緒に乾杯することで、一緒にすごす時間を、さらに幸せなものにしたい。
おいしい高知をとことん味わう、TOSACOの世界へようこそ!
の特徴
高知の素材を味わうビール
自然に恵まれた高知は、ビールの副原料となる食材が豊富です。これらを再発見し、生産者の素材にかける想いをくみとって、素材の個性を生かしたビールのレシピを考案します。飲むごとに、高知の風景や生産者の顔が浮かんでくる。そんな高知カンパーニュブルワリーにしかできない味わいを追求し、ビールを通して、生産者の想いも一緒に届けていきます。
ビールが苦手な人も乾杯できる
飲みやすいテイスト
「ビールが苦手」という女性は少なくありません。高知カンパーニュブルワリーでは、ビールが飲めない要因を分析し、甘みと苦味のバランスを考慮するなど、女性の感覚を大事にしながら「飲みやすさ」を意識したビールづくりを行っています。ビールが苦手な人にとって、新たな世界の扉を開くきっかけになれたら幸いです。
小さなブルワリーならではの
クラフト精神
高性能な醸造装置に頼らず、装置そのものを自らつくる姿勢を大切にしています。小規模な装置だから、一回の仕込み量はごく少量。仕込み作業を毎日行い、人の手と時間をかけて素材と向き合いながら、日ごとに味わいや香りを進化させています。高知県産素材を使った「少量多品種」のビールづくりができるのも、小さなブルワリーだからこそ。ゆくゆくは、高知の全市町村の素材でビールをつくり、「TOSACOをめぐるビアツーリズム」を実現させたいです。
ができるまで
「麦酒」と書いてビール。その名の通り、ビールは「麦」のデンプンから抽出された糖分を酵母の働きで分解し、アルコールと炭酸ガスに変えることでつくられます。基本原料は、麦芽(モルト)、ホップ、酵母、水。ここに高知県産の副原料を加えることで、ビールごとの個性を生み出しています。
麦芽
ビールの味わいや香り、色をつくり出す主原料。麦を一旦水に浸して発芽させたもの。発芽によって麦の中のデンプンを糖分に変えるために必要な酵素がつくられます。
ホップ
ビール特有の苦みや華やかな香りをもたらすハーブの一種。泡持ちを向上させたり、雑菌の繁殖を抑えたりする効果もあります。
酵母
ビールを発酵させる微生物。糖分をアルコールや炭酸ガスに分解する重要な役割を担います。
レシピ設計
最初に行うのが、ビールの仕上がりを細部までイメージしたレシピづくり。使用する副原料の特徴を生かすため、麦芽やホップの種類とそれぞれの配分、副原料を投入するタイミングなどを考えます。ビールの「設計図」とも言えますね。
麦芽粉砕
殻を被った状態にある麦芽をミルで粉砕します。デンプンがむき出しになるくらいの「粗挽き」がベスト。粉々にすると殻の渋み成分などが溶け出し、飲みにくいビールになってしまいます。デンプンを抽出しやすくするために欠かせない工程です。
お米を使ったビールでは、炊飯器でお米を炊いたり、炊飯したお米に米麹を合わせて甘酒をつくったり。この工程と並行して特別な準備をします。
- 仕込みの工程を見る
仕込み
麦を発酵させるための仕込みを行います。麦の中のデンプンを糖化させ、ろ過により麦汁を抽出、100℃で90分煮沸し雑菌を死滅させます。ホップ投入後、不要な固形物を取り除き、最後に酵母が元気に活動できる20℃程度まで冷却し、仕込みの完了です。
仕込みの工程
糖化
麦の中のデンプンは、鎖のように糖が長くつながった状態。そのままでは大きくて発酵に利用できません。粉砕した麦芽とお湯を混ぜ合わせ、ゆっくり温度を上げていくと、酵素が働き、デンプンが小さな糖に変化します。この糖が、酵母の発酵に必要な栄養になるのです。
ろ過
麦芽の殻を利用した「自然なろ過」によって、甘い液体から麦芽粕を取り除きます。鍋の底のフィルター上に、きれいに積層された麦芽のろ過層をつくり、麦芽の殻と殻のすきまを通り抜ける麦汁だけを抽出。じっくり、ていねいに。時間をかけるほど、クリアな麦汁になります。
煮沸
麦汁を100℃で90分間煮沸します。最大の目的は雑菌を死滅させること。さらに、ホップを投入し、苦味と香りをプラス。ホップの種類や量、投入のタイミングでビールの味わいは変化します。「ホップをいかにコントロールするか」がブルワーの腕の見せどころです。
使用する副原料も煮沸工程で投入します。素材ごとの特徴を引き出せるよう、どの段階でどんな過程を経て加えるのか、試行錯誤も楽しんでいます。
ワールプール
ワールプールとは、釜の中で渦をつくり、麦汁に残った不要な固形分をまとめて取り除くこと。機械を使うブルワリーが多い中、わたしたちはぐるぐると手動で渦をつくります。しばらくすると、あらふしぎ! 固形分が中心に集まり、自然の力で麦汁と分離されます。
冷却
高温の麦汁を酵母が元気に活動できる20℃程度まで冷却します。手づくりの熱交換器を使い、麦汁を煮沸釜から発酵タンクへ移す過程で一気に冷却することで、雑菌の発生を防ぎます。
発酵
麦汁に酵母を加え、いよいよ発酵の段階へ。酵母は麦汁中の糖を食べることで、アルコールと炭酸ガスを生み出します。発酵中にブルワーができるのは、酵母にとって快適な環境を整えること。温度やphを管理しながら、酵母の働きを静かにやさしく見守ります。
ビールづくりの主役は何と言っても酵母。酵母が元気よく働けるよう手助けすることが、ブルワーの大切な役目です。酵母の働きや発酵の原理を理解しながら、それらを最大限に活かす方法を考えるのは最高に楽しい! 僕は酵母が大好き。目に見えない世界だからこそ、イマジネーションを働かせることができるんです。
貯酒
発酵を終えたばかりのビールを貯蔵タンクに移し、凍らない程度の低温で貯蔵します。低温を保つことで酵母やタンパク質が固まって沈殿し、さらにクリアに。この工程を経て、粗削りだったビールの味が整い、調和のとれた風味が生まれます。
瓶詰め
貯蔵させたビールを瓶や樽に詰めて、出荷の準備をします。半自動の機械を使い、心を込めて手作業で。
出荷
フレッシュなビールをお客様のもとへ。ビールを通して、高知県産素材の魅力や生産者の想いも一緒に届けます。
ブルワーについて
TOSACOへの想い
わたしの妻はビールが苦手でした。ビール好きなわたしは妻と一緒に乾杯がしたくて、妻とともに楽しめるおいしいビールをつくろうと思いました。それが高知カンパーニュブルワリーの出発点です。
人々の生きる力の強さに惹かれて移住した高知県は、豊かな自然があり、酒造りの基本となる農業が盛んです。生産者の想いがこもった様々な食材を副原料に使いながら目指すのは、高知だからこそつくれる新しいクラフトビール。そして、地域のみなさんとともに、高知にビールの種をまき、たくさんの花を咲かせていきたいと思っています。
わたしがつくったビールを飲んだ妻が「おいしい」と笑ってくれた時、人の幸せはとても身近なところにあるんだと感じました。すこしだけワクワクしながら栓を抜き、いい日もイマイチだった日も誰かと乾杯して一日を締めくくる。
TOSACOのある風景がいつも幸せであるように、日々おいしいビールをつくり続けていきたいです。代表社員兼ブルワー 瀬戸口信弥
醸造士 瀬戸口信弥
1987年、大阪府出身。大学で電気工学、大学院でバイオサイエンスを学ぶ。2015年にブルワリーとして独立することを決意。島根県「石見麦酒」でビール造りの基礎と小規模醸造システムを習得。2017年高知県ビジネスプランコンテスト優秀賞受賞をきっかけに高知へ移住、2018年「高知カンパーニュブルワリー」を創業。
受賞歴
2019年2月 |
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2019年3月 |
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2019年10月 |
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2020年3月 |
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2020年11月 |
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2021年3月 |
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2021年3月 |
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使用済みの麦芽は、おもに雪ヶ峰牧場(高知県香美市)のジャージー牛の飼料に再利用され、一部は我が家の家庭菜園の肥料としても使っています。これも、わたしたちがめざす循環型のビールづくりの一歩です。